AIニュース

医師の生成AI日常利用が1年で10%→38%に急増 Wolters Kluwer調査、ガバナンス整備の遅れも浮き彫りに

公開日: ・出典: Wolters Kluwer

医療情報大手Wolters Kluwerが実施した「2026年版Future Ready Healthcare調査」により、米国の医師・看護師の間で生成AIの利用が急拡大していることが明らかになった。Ipsosが2026年3月11〜14日に米国の医師203人・看護師152人・患者254人を対象に実施したこの調査によると、医師が生成AIを毎日使う割合は2025年の10%から2026年には38%へと急増。看護師についても16%から32%へとほぼ倍増している。

一方で、勤務先の医療機関にAI利用に関する正式なガバナンス方針があると認識している割合は、2025年の21%から2026年も27%への微増にとどまった。調査では医師・看護師が懸念するリスクとして、ハルシネーション(事実と異なる出力)とスキル低下(deskilling)をそれぞれ74%が、広告主の意向に沿ったバイアスを72%が挙げており、急速な利用拡大に統制やリテラシーの整備が追いついていない実態が浮かんだ。

Financial Timesは2026年9月20日、この調査結果を踏まえ、医師らが画像診断の領域を超えたAI活用の拡大には慎重な姿勢を強めていると報じた。放射線科向けの画像診断AIは大規模な臨床試験や査読論文を通じて有効性を積み上げてきたのに対し、治療方針の提案や診療記録の作成支援といった新しい用途では、同水準のエビデンスがまだ揃っていない点が指摘されている。

もっとも調査では、患者・医療従事者双方の70%が、AIは健康リテラシーや患者エンゲージメントの向上に役立つとも回答しており、医療現場のAIに対する姿勢は一律の拒否ではなく、用途に応じた検証と説明責任を求める方向にあるとみられる。

出典: Wolters Kluwer

Xでシェア

医師・看護師のAI利用状況:2025年→2026年の変化

Wolters Kluwerの調査で判明した、医療従事者のAI利用実態の1年間の変化をまとめました。

項目 2025年 2026年
医師の毎日のAI利用率 10% 38%
看護師の毎日のAI利用率 16% 32%
AIガバナンス方針の認知率 21% 27%

※出典: Wolters Kluwer