Anthropicは10月18日、株式の一部を新設の「Anthropic Public Benefit Fund」に拠出すると発表した。株主の承認を前提に、まず発行済み株式の5%を拠出し、さらに企業価値が一定の基準値から50%上昇するごとに、取締役会の裁量で最大2%ずつを追加できる仕組みだという。共同創業者らによる持ち株の80%寄付や従業員向けのマッチング拠出と合わせると、将来的な評価額上昇分も含め、発行済み株式の約2割が公益目的に充てられる計算になるとAnthropicは説明している。基金の使途としては、非営利団体への大口寄付や特定の層への直接給付、AIが労働市場に与える影響への対応などを挙げ、既存の2億ドル規模の「Economic Futures Research Fund」への取り組みを土台にするとしている。なお、基金が保有する株式はロビー活動や政治献金には一切使わないとも明記されている。
これに対し、Elon Musk氏は翌10月19日、X上でAnthropicの発表に「株は直接国民に渡す方がよい」と応じ、自身もそれを実行すると表明した。具体的には「来年、米国のすべての子供にSpaceXの株を1株ずつ贈る」とし、「これは一連の取り組みの最初の一歩にすぎない」と述べた。ただし、対象となる子供の具体的な定義や年齢範囲、実際の配布方法、受給資格の確認手段など、制度設計に関わる詳細は明らかにしていない。CNNなど複数メディアは、米国の子供の人数(約7000万人台)とSpaceX株の直近の評価額を基に、総額は100億ドル超になるとの試算を伝えているが、これはあくまで外部メディアによる推計であり、Musk氏自身が金額を明言したわけではない。
両者の動きは、AIの急速な普及に対する社会的な懸念が強まる中でのものだ。AP通信とNORCの世論調査では、回答者の64%が「AIの開発は速すぎる」と答えたと報じられている。Anthropicは11月にも株式上場を控えており、今回の基金設立はその直前のタイミングでの発表となった。一方、OpenAIからは今回の報道の時点で同様の株式拠出や給付の表明は確認されていない。
出典: CTV News



