Microsoftは10月1日、年次の脅威分析レポート「2026年版デジタル防衛報告書(Digital Defense Report)」を公開した。脆弱性の公開から実際の悪用(武器化)までの期間の中央値が24時間を下回るまで短縮されたとし、攻撃側がAIを取り入れることでスピードと規模の両面で優位に立ちつつあると指摘している。
報告書によれば、攻撃者は偵察やソーシャルエンジニアリング、不正プログラム開発、脆弱性の発見、侵入後の活動などにAIを組み込み始めているが、現時点では既存の攻撃手順の一部を効率化する用途が中心だとしている。一方で、統制された評価環境では最先端のAIシステムが32段階にも及ぶ複雑な多段階攻撃を連続して実行できることも確認されたという。
攻撃規模の実例として、2月から5月初旬にかけて「ClickFix」型の攻撃者コマンドが実行された端末数が110万台を超え、これは約8倍の増加に相当するとしている。また2026年上半期に公開されたCVE(共通脆弱性識別子)は約4万件に達し、年間では前年のおよそ倍のペースになるとの見通しも示された。
Microsoftは防御側についても、既存のセキュリティ技術の自動化やコード解析による脆弱性発見、分散したセキュリティ信号の統合などにAIが活用され始めていると説明する一方、「人間の専門知識は依然として不可欠」として、AIと人による判断を組み合わせる重要性を強調している。



