NVIDIAは8月17日、OpenAI向けの新しいデータセンター拠点「PORTS-Pikeテクノロジーキャンパス」(オハイオ州パイク郡)に対し、最大1050億ドルの金融保証(クレジット・サポート)を提供すると発表した。同施設はSB Energyが土地・電力・建屋を含めて建設・運営し、OpenAIが20年間のリース契約を結ぶ。NVIDIAが提供するのは、土地・電力・シェル建設に対する信用保証で、仮にOpenAIが賃料の支払いに応じられなくなった場合、保証された最低価値と再リース・売却で回収できる金額との差額をNVIDIAが穴埋めする仕組みだという。
施設の規模は、初期段階で4.25ギガワット(GW)のIT容量を確保し、追加で3.75GWを積み増すオプションを含めると最大8GWに達する。電力供給についてはSB EnergyとSoftBankが10GW分の電源を整備し、地域の送電網インフラにも少なくとも42億ドルを投資するとしている。稼働は2028年からの段階的な立ち上げが見込まれており、NVIDIAはSB Energyへも15億ドルを直接出資する。
NVIDIAのJensen Huang CEOは、この取引について「循環取引(サーキュラー・ファイナンシング)」との批判に反論し、2030年までに同社のコンピュート需要として最大6000億ドル規模の機会になり得るとの見方を示した。同氏によれば、20年間にわたるキャンパスでは複数世代のハードウェア更新が想定され、1世代あたり約150万個のNVIDIA製GPUが導入され、1500億〜2000億ドル規模の売上につながる可能性があるという。今回の案件は、OpenAIに35,000人分の建設関連雇用(2032年まで)と2,500人分の長期雇用をもたらすともされている。
この発表は、2025年9月にNVIDIAとOpenAIが結んだ、複数拠点合計で少なくとも10GWの導入を目指す戦略的提携の基本合意(意向表明書)を、初めて具体的な単一案件として実現させたものだ。基本合意の段階では、NVIDIAがGW導入の進捗に応じて段階的に最大1000億ドルを投資するという枠組みが示されていたが、今回のオハイオ案件はそれとは別建ての金融保証・出資という形をとっている。



