内閣府知的財産戦略推進事務局は8月18日、生成AI事業者に知的財産の保護と透明性の確保を求める「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード(仮称)」の案を有識者検討会に示した。柱は3つで、①AIの学習方法や学習データの種類の概要を開示すること、②著作権侵害などを理由に権利行使を検討する権利者からの照会に対応すること、③AIの利用者からの照会にも対応すること、を生成AI事業者に求める内容となっている。
2025年に成立したAI関連法を踏まえた、生成AIの知的財産保護に特化した初めての本格的なルール整備であり、日本国内に拠点を置かない海外の生成AI事業者にも適用される見通しである点が特徴だ。一方で、コード自体に法的拘束力はなく、違反時の罰則も見送られており、あくまで事業者の自主的な対応を促す「原則」としての位置づけにとどまる。政府は今後パブリックコメントなどを経て、今秋をめどに正式なプリンシプル・コードとして取りまとめ、運用を開始する方針としている。
背景には、生成AIの学習データにクリエイターの著作物が無断で使われているのではないかという懸念や、権利者側からAI事業者の学習実態が見えにくいといった指摘が根強くあることが挙げられる。罰則を伴わない自主対応の枠組みで、実際にどこまで開示や照会対応が進むかは不透明で、今後の運用状況とともに、より強い規制への発展の可能性も含めて注目される。
出典: 日本経済新聞



