AIインフラ企業のFirebirdは、アルメニアに構築した「AIファクトリー」の稼働開始と、世界展開の加速方針を発表した。今回稼働したのは域内最大級とされる施設で、NVIDIAの「DSX AI Factory」リファレンスデザインと高速ネットワーク技術「Spectrum-X」を採用し、NVIDIA製B200 GPUを6144基搭載する。同社によれば、この設計により同じ設置面積でも従来比最大40%多くのGPUを収容できるという。検索AI企業Perplexityが早期の利用企業として名を連ねている。
Firebirdは2027年末までに、次世代のRubinおよびBlackwell世代のGPUを7万基超へと拡張し、電力容量も300メガワット規模へ引き上げる計画を示した。NVIDIAは既存出資者であるCoreWeaveに続き、Firebirdへの出資意向を表明しており、チップメーカー自身がインフラ拡大を後押しする構図となっている。Firebirdはアルメニアに加えカザフスタンなど他の「フロンティア市場」にも展開を広げ、2028年末までに世界全体で2ギガワット規模のAIインフラ供給網を構築する計画としている。
米中や欧州の大手クラウド事業者に計算資源が集中しがちだったAIインフラ投資が、こうした新興市場にも広がりつつある動きの一例といえる。GPUの供給確保が引き続きAI業界のボトルネックとなる中、地政学的に多様な地域に分散した「AIファクトリー」網の構築は、コスト効率や供給網の分散という観点からも今後の業界動向を占う材料として注目される。



