中国のAIスタートアップDeepSeekが、主力モデル「V4-Flash」「V4-Pro」のAPI価格を8月16日(協定世界時16時)から大幅に引き上げた。値上げ幅はモデルやトークンの種類、利用時間帯によって50%〜1,100%超と報じられている。あわせて、稼働の集中する時間帯とそれ以外で料金を分けるピーク/オフピーク制も新たに導入し、オフピーク料金はピーク料金の半額に設定される。これまで格安路線で急速にユーザーを獲得してきたDeepSeekにとって、方針転換となる値上げだ。
報道によれば、V4-Flashの出力トークン価格はこれまでの一律1ドル(100万トークンあたり、以下同)前後から、ピーク時1.32ドル・オフピーク時0.66ドルへ引き上げられる見通し。上位モデルのV4-Proについても、出力価格が0.87ドル前後からピーク時3.96ドル・オフピーク時1.98ドルへと大きく上昇するという。DeepSeekは新規株式公開(IPO)に向けた準備を進めており、既に70億ドル超の外部資金調達を完了させたことも報じられている。値上げの背景には、急増する需要に対応する計算資源コストの上昇や、上場を見据えた収益基盤の強化があるとみられる。
対照的に、OpenAIは無料版ChatGPTの既定モデル「GPT-5.6 Luna」の価格を8割引き下げ、AnthropicもフラグシップモデルClaude Fable 5の半額でClaude Opus 5を提供するなど、主要な米国勢はこの夏、相次いで主力モデルの値下げに動いている。背景には、DeepSeekやMoonshot AIといった中国勢の低価格モデルが企業ユーザーの間でシェアを伸ばしていることへの対抗という側面が指摘されている。値下げ競争の口火を切ったとされる中国勢の一角が一転して値上げに動いたことで、AIモデルの価格競争は新たな局面を迎えつつある。
出典: Quartz



