米国の独立系保険会社31社が加盟するBlue Cross Blue Shield Association(BCBSA)は、病院が保険請求時に用いるAIコーディング(診療内容を保険請求用のコードに変換する作業)ツールの普及が、2024年から2025年の2年間で加盟保険会社に総額約9億4200万ドルの追加コストをもたらしたとする分析結果を公表した。
BCBSAによれば、入院患者が「医学的に複雑な症例」として請求されるケースの割合は、2023年初めの37%から2025年末には40%まで上昇した。診療内容そのものに対応する変化が見られない一方で、より高額な請求区分に分類される「セカンダリー診断」の増加が費用増の大部分(約6億5300万ドル)を占めており、BCBSAの臨床部門担当者は、産後貧血など特定の診断名が急増した病院の傾向がAIによるコーディング支援と符合すると指摘している。
これに対し米国病院協会(AHA)は8月の時点で、コーディングの複雑化は患者の高齢化・重症化や、既存の傷病をより正確に記録するようになったことも反映しているとし、2019年から2024年にかけて病院の症例複雑度(ケースミックス)自体が約5%上昇していると反論している。AIコーディングが正当な記録精度の向上をもたらしているのか、不適切な「アップコーディング」を助長しているのかを巡り、保険者と病院側の見解の隔たりが浮き彫りになった形だ。
出典: TechCrunch



