複数の海外メディアの報道によると、Anthropic・OpenAI・Google(Google DeepMind)の3社は今年7月以降、フロンティアAIモデルの公開前審査や第三者による技術的な試験を担う、業界横断の基準策定団体の設立に向けて非公開の作業部会での協議を重ねてきたとされています。まだ組織の正式発足や規則の策定には至っておらず、あくまで構想段階にあるとされていますが、平時は競合関係にある大手AI企業3社が足並みをそろえて協議している点が注目を集めています。
報道では、3社それぞれが思い描く団体像には隔たりがあるとも伝えられています。AnthropicのダリオCEOは、モデルの公開を即座に差し止める権限を持つ連邦機関を念頭に置いた「AI版FAA(連邦航空局)」的な枠組みを志向しているとされる一方、Google DeepMindのデミス・ハサビスCEOは7月14日、業界資金で運営しつつ連邦政府の監督を受け、当初は任意の公開前レビューから始めて将来的に市場参入の必須条件へと発展させ得る「AI版FINRA(米金融取引業規制機構)」型の団体を独自に提案していました。OpenAIのサム・アルトマンCEOは、各国・各企業の認証や安全基準の順守を、フロンティアモデルや市場へのアクセスを梃子に促す「AI版IAEA(国際原子力機関)」のような国際的な枠組みを掲げる一方で、社内の会議では政府の後押しが得られない場合は主要各社が自前で団体を立ち上げる必要があるとの見方も示したとされ、政府の関与をどこまで求めるかという点でAnthropicとOpenAIの立場には温度差があるとされています。
この動きは、Anthropicのダリオ・アモデイCEOが9月12日に公表した、AI開発の意図的な減速と外部評価者への常時アクセス確保を求める提言や、これに応じたMicrosoftによる自社モデル「MAI」向け行動規範の9月14日公表、さらにはトランプ米大統領が9月13日にAI開発の減速論を退けたことなど、ここ数日でAI業界の安全性を巡る議論が急速に活発化する中で明らかになったものです。政府主導のAI規制の枠組み作りが停滞する中、競合企業同士が自主的に安全基準の擦り合わせを模索する動きとして注目されますが、現時点で具体的な組織や規則は何ら固まっていません。
出典: PYMNTS



