東京を拠点とするAIスタートアップSakana AIは9月11日、複数のAIモデルを束ねて動かす自社の「オーケストレーター」システムの新版として、「Fugu Max」と「Fugu Ultra v2」の2モデルを同時発表しました。Fuguは単体の大規模言語モデルではなく、利用者から届いた1つのリクエストに対して、手持ちのモデル群の中からタスクに適したものを選んで処理を割り振り、その結果を統合して答えを返す「指揮役」のモデルです。オープンウェイトモデルや特定用途に特化したモデルなど、これまでで最も多くのモデルをプールとして抱え、NVIDIAのNemotronファミリーなども組み込んでいるといいます。
コスト重視の「Fugu Max」は、100万トークンあたり入力2ドル・出力6ドルという価格で提供され、トップクラスのモデルに迫る性能を2〜6倍安いコストで実現するとしています。Sakana AIによれば、出力コストの面でAnthropicの「Sonnet 5」やMoonshot AIの「Kimi K3」を4〜6割ほど下回る水準だといい、大量のリクエストをさばく用途など、コスト効率を優先する場面での利用を想定しています。
一方、性能重視の「Fugu Ultra v2」は入力5ドル・出力30ドル(27万2000トークンを超える文脈では入力10ドル・出力45ドルに変動)で提供され、図表やグラフの読み取り能力を測るベンチマーク「Chartography」で48.3点を記録、Anthropicの「Opus 5」(27.3点)やSakana自身の「Fable 5」(29.5点)を上回ったとしています。実務的なソフトウエア開発能力を測る「DeepSWE」でも、より高価な競合モデルを上回るスコアを記録したといいます。Sakana AIは、Fugu Ultra v2が自社のFable 5・Fable 5.1やOpenAIのGPT-6 Astraといった単体の最先端モデルに頼らずにこの性能を達成した点を強調しており、特定の1社のフロンティアモデルに依存しない「複数モデルの集合知」というアプローチを打ち出す形になっています。



