Nvidiaは9月3日、AIモデル・データセット共有基盤Hugging Faceを総額約129億3000万ドルで買収することで正式に合意したと発表した。内訳はHugging Face株主向けの現金・株式が約119億ドル、従業員向けのリテンション(引き留め)目的の株式報酬が最大10億ドルとされる。買収は2027年前半の完了を見込んでおり、規制当局の承認が条件となる。両社の合意は、8月27日ごろに複数メディアが「一次報道」として報じてから約1週間での正式発表となった。
Hugging Faceは、大規模言語モデルの重みやデータセットを共有する基盤として2016年に設立され、現在は300万件超のモデル、100万件超のアプリケーション、50万件のデータセットを提供し、世界で1800万人以上の開発者が利用しているとされる。OpenAI・Google・Anthropicなど主要AI企業からオープンソースコミュニティまで幅広く使われており、「AI版のGitHub」とも称される存在だ。
NvidiaのCEOジェンスン・ファン氏は、買収後もHugging Faceを引き続きオープンなプラットフォームとして運営し、開発者は使いたいモデル・フレームワーク・クラウド・推論サービス・計算基盤を自由に選べる状態を維持すると強調した。Hugging Face上でのモデル配布・実行にNvidia製の計算基盤を必須にすることはないとも述べている。
Nvidiaは2023年、Hugging Faceが企業価値45億ドル評価で実施した2億3500万ドルの資金調達ラウンドに、Salesforce VenturesやアルファベットのGVなどとともに出資していた経緯がある。2025年後半には企業価値70億ドル評価での5億ドルの追加出資を提案したものの、特定の投資家の意向に経営が左右されることを避けたいとしてHugging Face側が拒否していたと報じられている。それから1年足らずで、出資ではなく全面買収という形で当初提示額を大幅に上回る規模での合意に至った格好で、AIチップ市場を支配するNvidiaがモデル配布インフラにも進出することになり、オープンソースAIエコシステムの独立性への影響を懸念する声が改めて出る可能性もある。
出典: TechCrunch



