フランスのMistral AIは2026年8月11日、欧州域内でのAI主権(ソブリンAI)強化に向けた3本柱のインフラ施策を発表しました。1つ目は、推論処理を欧州または米国のいずれかの地域に固定できる「Regional Endpoints」の一般提供開始。2つ目は、稼働率保証(SLA)付きで優先的なサービスレベルを提供する「Priority Tier」のパブリックプレビュー開始です。
3つ目の柱は、欧州企業連合による複数年にわたるコンピュート調達契約です。旅行大手Amadeus、半導体大手ASML、海運大手CMA CGMなどが名乗りを上げ、2027年末までに200メガワット、2030年末までに1ギガワット規模の欧州内AIインフラを構築する計画を後押しします。Mistralは、これらの資金コミットメントを複数年にわたるインフラ利用権に変換する「European Compute Units(ECU)」という仕組みも導入しました。
地域を選べる推論とSLA付きの優先サービスの両方を提供する欧州発のAI企業は現時点でMistralのみとされ、同社は米国・中国の巨大テック企業に対抗する「欧州のソブリンAIインフラ提供者」としての立ち位置を鮮明にしています。データの域内保持を重視する欧州企業・政府機関にとって、有力な選択肢となる可能性があります。
出典: Mistral AI



