Google DeepMindは、デューク大学やコロンビア大学などと共同で、AIによる科学研究支援システム「Co-Scientist」の最新の実証結果をまとめた論文「Accelerating Scientific Research with Gemini in the Real-World」を発表した。Co-ScientistはGeminiをベースにした複数エージェント構成のシステムで、仮説の立案から実験の実行、論文執筆までを一貫して支援する。
今回新たに導入したのは、実験結果を都度フィードバックしながら手順を修正していく「実行グラウンディング」型の構成だ。高性能な推論モデル「Gemini 3 Deep Think」を使い、研究室ごとの装置の制約に合わせた単層半導体の成長手順をわずか数分で立案。実際に化学蒸着(CVD)反応炉を操作し、単層のMoS2(二硫化モリブデン)を一度の試行で成長させることに成功したという。
論文によれば、実行グラウンディングを伴わない従来型の手法では手順に重大な誤りが含まれる割合が100%に達していたのに対し、今回の手法では24%まで低減した。あわせてMoSe2やWS2といった他の二次元半導体材料でも同様に一度の試行での成長を確認しており、論文生成時のデータの完全な捏造も排除できたとしている。



