Bloombergをはじめとする複数の海外メディアは9月8日、Anthropicがイスラエルのスタートアップ企業Decartの買収に向けた交渉を打ち切ったと報じました。両社は8月中旬時点で約60億ドル規模の買収に向けて協議を進めていることが明らかになっていましたが、Anthropicはデューデリジェンス(資産・技術精査)を経て、最終的に買収を見送る判断を下したとされています。実現していればAnthropic史上最大の買収案件となるはずでした。
Decartはリアルタイムの動画生成AIや、AIモデルの学習・推論にかかるコストをチップの利用効率改善によって引き下げる技術を手がけており、Anthropicはこの技術によって自社モデルの計算コストを圧縮する狙いがあったとみられています。両社とも交渉打ち切りの具体的な理由は公表しておらず、報道では技術の実用性・拡張性への懸念や、Anthropic自身による内製化の可能性などが取り沙汰されていますが、いずれも関係者の見方にとどまり、確定的な理由は明らかになっていません。
一部報道によれば、両社は買収以外の形での協業の可能性については引き続き排除していないとされています。Anthropicを巡っては、SpaceXの過去最大級のIPO(新規株式公開)規模に匹敵、あるいはそれを上回る規模での上場を準備しているとの報道も出ており、今回の買収交渉の打ち切りがこうした動きとどう関係するかにも関心が集まっています。



