OpenAIが、モデルが生物兵器開発や大規模サイバー攻撃などに悪用されるリスクを評価・監視してきた「Preparedness」チームを7月末に解体していたことが、Financial Timesの報道をきっかけに8月17日、複数のメディアで一斉に報じられた。同チームはこれまで、生物・化学兵器や重大なサイバー脅威といった特定の危険領域ごとにリスクを評価する役割を担っていたが、今後はその業務が既存の各部署に分散して引き継がれる形になるという。
組織再編は安全部門のトップ人事にも及んでいる。2024年から安全システムチームを率いてきたJohannes Heidecke氏が退社することも明らかになった。今後、安全関連のチームはOpenAIの研究担当バイスプレジデントでアラインメント責任者のMia Glaese氏の下に統合され、同氏は新たに「研究・安全担当バイスプレジデント」という拡大した役職を担う。安全システムチームの暫定責任者にはSaachi Jain氏が就任し、Glaese氏の下で業務にあたる。倫理担当のChloé Bakalar氏や、チーフフューチャリストのJosh Achiam氏など、他の幹部の退社も相次いで報じられている。
OpenAIのチーフリサーチオフィサーであるMark Chen氏は、モデルの学習速度が上がり社内の連携がより求められる中で、安全に関する取り組みをフロンティアモデルの開発により早い段階から組み込み、モデル・製品・リリースの意思決定によりダイレクトに関わらせる狙いがあると説明しているという。今回の再編は、非営利団体Future of Life Instituteが「2026年夏版AI安全性指数」でOpenAIに「C」評価を下し、業界が過去の安全公約から「ゴールポストを動かした」と指摘してからわずか4日後に表面化した。OpenAIはこれ以前にも「AGI readiness」チームや「スーパーアラインメント」チームを解体しており、株式公開(IPO)準備が取り沙汰される中での組織再編の一環とみられている。



