Anthropicは10月8日、サイバー防御の担い手を支援する長期的な取り組み「Cyber Mission」を発表した。攻撃側は高性能なAIモデルを容易に入手できる一方、防御側に行き渡る実用的な支援は少ないという非対称性を縮めることを狙い、まずは重要インフラとオープンソースソフトウェアの2領域に重点を置く。
重要インフラ向けには「Critical Infrastructure Defense Program(CIDP)」を新設する。電力・水道・交通網などを支える制御システム(OT)は稼働を止めての修正が難しく、既知の脆弱性が何年も放置されがちだという課題を踏まえ、Accenture、Booz Allen、CrowdStrike、Deloitte、Dragos、日立、Insane Cyber、Nozomi Networks、Palo Alto Networks、PwC、Rockwell Automationの11社を提携先として、フロンティアモデルのClaudeと現地常駐エンジニア、脅威分析の知見を信頼できる事業者経由で提供する。
オープンソース向けには、GoogleのOSS-Fuzzを参考にした無料スキャンサービス「OSS Scanner」をオプトイン方式で提供する。検出結果には再現手順や解説、可能であれば修正案を添えるが、人間によるレビューを経ない自動生成のレポートである点には注意が必要で、Anthropicは真陽性率90%超を目標に改善を続けるとしている。あわせてPython Software FoundationやOpenSSF、Apache Software Foundationへの資金提供、維持管理者向けのClaude Max無償提供なども行う。
Anthropicは、脆弱性を突く攻撃のコストが下がる一方で検証・開示・修正には依然として人手と時間がかかっており、AIが防御側に優位に働くまでには2年程度を要するとの見通しを示した上で、今回の取り組みをその間の橋渡しと位置付けている。
出典: Anthropic公式発表



