Anthropicは2026年9月17日、研究記事「How Claude is uplifting biomolecular modeling」を公表し、社内の汎用研究モデルが4週間足らずのうちに、タンパク質の構造予測や配列設計などに使われる30種類以上のオープンソース生体分子モデルを自律的に最適化したと明らかにしました。対象は共折り込み・構造予測、ハルシネーション(構造の妥当性評価)、構造生成、逆フォールディング、ゲノミクス、タンパク質言語モデルの6分野にまたがる36種類の実装で、最適化されたコードはすべてオープンソースとして公開されています。
最適化の成果として、出力を完全に変えずに処理を高速化する設定と、わずかな精度低下と引き換えに平均で約4倍の高速化を実現する設定の、複数の動作モードが用意されたとしています。あわせて、メモリ使用量を抑えた低メモリモードにより、1万トークンを超える大規模な生体分子系のモデリングや、7万トークンを超える系での推論を、単一のGPUだけで行えるようになったといいます。従来は大規模な計算クラスタが必要だった解析を、より少ない計算資源の研究者でも扱えるようにする狙いがあります。
この成果にあわせて、Anthropicはタンパク質設計スタートアップのAdaptyv Bioと共同で、Claudeを使ったタンパク質設計コンペティションも開始しました。異なる生物種間での交差反応性やpH感受性、ペプチドとMHC分子の特異性、設計が難しいとされるGPCR(Gタンパク質共役受容体)標的など、現在のタンパク質設計技術の最前線にある5つの課題が設定されています。両社は、Adaptyv Bioの自動化された実験室で5,000件超の設計を検証するための費用として合計100万ドルを共同で拠出するほか、Anthropicが別途100万ドル相当のClaude利用クレジットを提供し、Modalが最大25万ドルの計算クレジット、Twist BioscienceがDNA合成を提供するとしています。



